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写真(しゃしん、 photographphotography )は、狭義には、穴やレンズを通して対象物を結像させ、物体で反射した光及び物体が発した光を、感光剤に焼き付けたのち、現像処理をして可視化したもの。基本的には、この行程にカメラを用いる。

 

"Photograph" という語は、イギリスの天文学者ジョン・ハーシェルが創案した。 ちなみに「photo-」は「光の」、「-graph」は「かく(書く、描く)装置」、「かかれたもの」という意味であり、合わせて「光の画」と訳せるという意見を、必ずしも否定できない。また「写真」という語は、「真を写す」という意味に基づくものではないらしい。 略してフォトと言うこともある。 また、デジタル写真は写真とは呼ばず画像と呼ぶこともある。写真の原理

 

銀塩写真の原理

ハロゲン化銀は光を与えると、銀イオンが還元され、イオン化されない銀ができる。感光して銀になってもそのままでは画像にはならない。感光した部分にある銀はごく少量のため、適当な量まで銀を増やす必要がある。これは現像液で行なう。又、感光しなかった部分はそれ以上感光しては困るため、不要な部分の銀分子は取り除く必要がある。これは定着処理で行なう。

 

ハロゲン化銀は感光するとき、波長を吸収する領域は青色に依っている。そこで、可視領域にわたって感光させるために、感光色素を用いて本来の吸収波長以外にも反応が起こるように設定する。まず、感光色素が光に反応し、色素の電子がハロゲン化銀へ移動そることによって、ハロゲン化銀の直接の感光と同様の変化が成立する。可視的な電磁波の特定の波長領域にのみ感光するようにし、三原色に対応するように感光層を重ねるとカラーフィルムになる。

 

相反則と相反則不軌

基本的に写真の感光量は、光の量(単位時間あたりの光の量×光が当たった時間)によって決まる。これを相反則という。

 

ただし、感光量は入射した光の量にどこまでも比例しはしない。未露光部はベースフィルム以上淡色にはならないし、感光するハロゲン化銀は限られているから一定以上の光を当ててもそれ以上濃くならない。従って、光の入射量と画像の濃さをグラフにすると、シグモイド関数のようになる。変化の中間部は直線的であり、この部分の傾きの事をガンマという。

 

更に、非常に暗い場合や非常に短時間の露光の場合には相反則が成立しない場合がある。これを相反則不軌という。相反則不軌は天体写真を取る時などに大きな問題となる。相反則不軌は、カラーフィルムでは、さらに問題になる。色ごとに相反則不軌の状態が異なるからである。

 

写真の撮影

カメラ及びカメラ・オブスクラは、撮影機器である。 写真フィルムまたは電子的記録カードが記録媒体であるが、ほかの方法が採られることもある。例えば、光学コピーや乾式コピー(ゼロコピー)は永続的な画像を作るが、写真フィルムではなく静電気の移動を使っているので、電子複写(静電複写)という。 マン・レイの刊行したレイヨグラフなどのフォトグラムは、印画紙に投影された影でできた画像であり、カメラを用いない。 スキャナのガラス面に直接撮影対象を置くことによって、電子複写を行うことも可能である。

 

撮影者は記録媒体を必要な量の光に露出する目的で、カメラとレンズを選択・操作できる。 (記録媒体として通常は、写真フィルムかCCDCMOSを使う。)

 

選択・操作の対象には以下のものなどがあるだろう。

 

レンズの焦点

レンズの絞り(アパーチャ)。:レンズを通過する光の量を制御する

レンズの焦点距離(超広角、広角、標準、望遠、超望遠)

レンズの種類(単焦点、ズーム、バリフォーカス||一般撮影用、高倍率撮影用、ティルト&シフト、ソフトフォーカスなど)

フィルターや覆い、ディフェーザー

シャッタースピード

 

感度

記録画質など(デジタルカメラ)

カメラの制御は互いに関係し合っている。 フィルム面に到達する光の総量は、露出時間、レンズの絞りによって変わる。このうちのひとつでも変えれば、露出が変わる。

 

露光時間はシャッタースピードで表される(物理的なシャッターがないカメラであっても)。それは、秒の逆数で表示される場合が多い。 絞りはf値で表示されているが、これはレンズの明るさを表している。fは焦点比(focal ratio)fである。f値がルート2分の1倍になる毎に、絞りの直径はルート2倍大きくなり、絞りの面積は2倍になる。 典型的なMFレンズに刻まれたf値は、2.845.6811162232などであるが、これは数字が小さくなる毎に、光の量が2倍になることを意味する。

 

特定の露出の、シャッタースピードと絞り値は、さまざまな組み合わせ成立する。 例えば、125分の1秒でF 8と、500分の1秒でF 4では、同じ量の光が得られる。 当然ながら、どの組み合わせ選んだかは最終的な仕上がりに影響する。 シャッタースピードの変化は、対象とカメラの動きの反映の度合いを変える。絞りの変化は被写界深度を変える。 被写界深度は、焦点の前後に広がるピントがあっているように見える範囲のことである。 例えば、大口径の長焦点レンズを使用した場合、対象の目には鋭い焦点が合うとき、鼻の頭はピントが合っているように見えない、ということが起こる。 反対に、小口径の短焦点レンズを使えば、対象の目にも鼻にもピントが合って見える写真を撮影することは容易である。 ピンホールのように、非常に小さい絞りを使うと、ごく広い範囲にピントを合わせることができる。これはパンフォーカスと呼ばれる。

 

写真の出力

材質に関わらず、カメラが捕らえた像を最終的な写真作品にするには、何らかの工程が必要である。 この工程には現像と焼き付けなどがある。

 

焼きつけ工程では、いくつかの調整によって、結果を変えることができる。 こうした調整の多くはイメージキャプチャーなどで行われる調整に似ているが、引き伸ばし機を用いた焼きつけ工程に固有のものもある。 大部分はデジタルによく似た調整であるが、大きく異なる効果をもたらすものもある。

 

調整には次のものなどがある。

 

フィルム現像の内容

印画紙の種類(光沢の程度や質感など)

引き伸ばし機の方式や性能

露光時間

レンズの絞り

コントラスト

覆い焼き(焼きつけの一部だけ露出を減らす)

焼き込み(一部だけ露出を増やす)

 

アスペクト比

デジタルカメラ写真のアスペクト比については次のものが主である。長辺が短辺に比してより長いものから、挙げる。以前は、パソコンとの整合性から「4:3」の機種が多かった。

 

16:9 …ハイビジョンテレビの画面に同じ。パノラマ写真の一種。アドバンスドフォトシステムの規格(APS-H)

3:2 35ミリフィルムのほとんどを占める規格。

4:3 …一般的なテレビ画面(NTSC)やパソコンのディスプレイに同じ。デジタルカメラで主流。

DPE店などで、「フロンティア」や「QSS」によって印刷される写真の用紙の規格は以下のものなどがある。 DPE店の店頭でフィルムから印刷された写真が銀塩写真の限界ではないこと、多くのDPE店の(恣意的な)色補正や濃度決定が不適切であることを、付言しておく。

 

Lサイズ(89mm×127mm)…フィルムカメラの大衆的なプリントサイズ。

DSCサイズ(89mm×119mm)…デジタルカメラの大衆的なプリントサイズ。Digital Still Cameraの略。Lサイズに相当。

KGサイズ(102mm×152mm)…はがきサイズ。

HVサイズ(89mm×158mm)…DSCサイズの横幅を伸ばしたもの。16:9比の写真のプリントなどに使う。

2Lサイズ(127mm×178mm)…Lサイズの面積を倍にしたサイズ。

DSCWサイズ(127mm×169mm)…2Lサイズに相当。デジタルカメラで利用される。

(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

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